『体験』会津の誇り 漆塗りの第一工程「木地師」に出会う

会津は蒲生氏郷の時代から漆器の産地として有名。

漆器は丈夫で禿げても塗り直しがきくことから、100年以上でも使える器です。

会津では今でも漆器の職人が日々繊細な作業をこなし、漆器文化を守っています。

そんな漆器は「木地師」「塗師」「蒔絵師」からなる分業制。

華々しい蒔絵師・塗師と違って、木地師は縁の下の力持ち的な存在。

でも、一番時間がかかるのも、会津の漆器を底から支えているのも木地師と知り、

会津サポーター会のメンバーによる生地師2件の見学が実現しました!

コーディネータは漆器職人と新しい事業展開をしている明天さん。

まずは「木地師 三浦」さん。

一代目が東京で木地師を初めて、現在4代目。

「先代が会津に移り住んで、現在に至ります。奥会津にはいい木があって移動してきたのでしょう。

昔より少なくなったとはいえ、会津には今でも腕のいい漆職人がたくさんいます。」

木を仕入れる時の話、仕入れてからの構想などとても興味深い話を聞かせていただきました。

工場に移動して作業様子の見学。

三浦さんは正面から仕上げていく「縦とり」の技法を守る方。

大きな丸物が得意分野です。

木地師さんが使う道具はすべて手作り。

「自分の手にあったものを自分で作ります。

木地師は鍛冶屋でもあるのです。

道具を自分で作れるようになって一人前と言えるのです。」

木地師は鍛冶屋!

微妙な角度や手に持った感じを自ら調整して道具を作るそうです。すごい!!

厳選して購入した木は一年ほどねかして乾燥させます。

それから荒削りしてまたねかせ、乾燥したらまた削る。

何度もの工程と時間をかけて漆を塗る前の木地に仕上げます。

三浦さんの作業場の奥には乾燥中のものが山積み。

時間がゆっくりすぎている別空間のような風景に、感動です!

こういう工程を経て完成した漆食器をみると

何人もの職人が技をつぎ込み、時間をかけたものだ~とありがたくなりました。

この作業を知れば決して高い品ではないし、

塗りかえしができる漆は日本の文化!素晴らしいですよね。

2件目は丸祐製作所。


ここでは木を横から作りあげる「横とり」で作っています。

「私はずっと横で仕上げていますので、三浦さんのように横ではできません。

横で仕上げている人も横ではできないそうです。」

同じ木地師でも作り方が違うのですね~。

横からだと長いものを仕上げるのに重宝するそうです。

丸祐さんの得意分野が「蓋物」。

開け閉めが「すーーっ」とできて気持ちいい!

ピッタリなのが手からも伝わります。

丸い玉も得意で数珠も頼まれるとか。

「糸を通す穴が大変なんです。

糸をクロスさせる穴がT字なので、そこに技術が要ります。」

なるほど!

やっぱり、一つのものを作り上げるのに長年の経験と技術が必要なんですよね。

今回初めて木地師さんの作業場をみて、会津の漆文化の奥深さにふれられました。

やっぱり現場に行くとおもしろい!

たくさんの漆器のことがわかりました。

 
 
 

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