会津・麗の食スタイルモニターバスツアー実施

2013年3月17日(日)~18日(月)
会津・麗の食スタイルのモニターツアーを実施しました。

震災後、福島の安全性が問われる中でもたくさんの方々が訪れていただき、
その人たちをおもてなしするにはどうすればいいか、と考えた結果、
もともと会津のおもてなしである「漆器」と「地の食」に行きつきました。
漆器と食を使うことで宿独自のスタイルでおもてなしをする企画を
「会津・麗の食スタイル」として取り組んできました。

今回は会津・麗の食スタイルの参加宿を中心に
関わってくださっている漆器職人さんの工房見学や
農家さんの畑見学、震災直後から今までの福島の動きなどを
経験者から話していただく場面を織り交ぜた1泊2日のコースです。

お昼に到着したのは湯野上温泉「紫泉」さん。

会津・麗の食スタイルの参加宿で、今回はお昼に特別メニューをご用意いただきました。
鹿目さんが食材と漆器についてご説明してくださいました^^

ツアーのための特別メニューです。

メインに「ネギ蕎麦」をだしてくださいました!
お箸のかわりにネギ一本で食べるという大内宿の名物蕎麦です。
ネギは佐瀬さんから直送の新鮮さ。
蕎麦粉も地元の粉をつかっているそうです。

そして、今回のおもてなしの逸品!
会津漆器にのせた「車麩のカナッペ」
南郷トマトソースかけです。
この組み合わせは初めてですが、絶品でした!
お客さまもお麩の食感とソースの組み合わせに驚いていました。

次いで、紫泉さんで食べたネギ蕎麦のネギを作っている
佐瀬さんの畑を見学しました。
会津は雪深いので、冬の農作物はほとんどありません。
しかし、佐瀬さんは一年間の収穫をめざして、冬はネギや
雪中キャベツを収穫しています。
由希がまだ残る畑でネギについての話や会津の特徴などについて
話してくださいました。

広い畑を作業する時にかかせない機械^^

畑からネギをもいで参加者へ手渡し。
そのままかじる人もいて、畑で食べる野菜はやっぱり一番ですね。

漆器職人さんの工房見学を行いました。
2班にわかれて木地師さん宅と、塗り師さん宅にわかれて見学です。

会’sNEXTの会員さんである儀同さん宅にて、
貝沼くんをコーディネータに
荒井さん、吉井さんがそれぞれの作り方について話をしてくださいました。




もうひとつの版は木地氏の三浦さん宅へ。

木地師さんは木地を仕入れ、ゆがみをなくし
塗る前までの下準備をします。
その期間、木をずっと保管するのですが何年にもなります。
その経過を知ると漆器はけして高いものではないと感じます。

参加した方々も、今まで漆器に対して感じていた印象を覆して
漆器にふれていただけたようです。

夕方からは宿泊地である東山温泉・原瀧にて
震災後、避難者を受け入れた側と避難してきた方の
対談式の講義をおこないました。
今までに経験がないほどの人が一気に避難してきて、
お客様じゃない方々を泊める大変さなど、現場の声をききました。

夕食は交流会を兼ねての会津・麗の食スタイル原瀧バージョン。
漆器職人さんや会津に避難しながら、会津で頑張っている方々など
会津の食を前に盛りあがりました。

原瀧流の会津・麗の食スタイルは
「会津漆器」と「山菜」。
料理長が探してきた会津漆器の上に喜多方産の山菜をそえました。

さらにお手前料理の鍋には会津地鶏と佐瀬さんのネギを使い
シンプルながら会津らしいひと品が目をひきました。

交流会では会津漆器と食に関わるクイズも出され、
景品には会津木綿の特徴「嶋熊」ぬいぐるみなどがプレゼントされ
会場は大盛り上がりでした。

2日目は早めに東山温泉を出発し、いわき市へ。
いわき市は津波被害が大きく、今も爪痕がのこります。

湯本温泉にある古滝屋の若旦那・里見さんが被災地ガイドを受けてくださいました。

バスに乗って海側にむかいますが
窓の外は復興が進んで震災の後の様子はみえません。

海側に近づくと一気に田んぼがあれ、家の土台しかない場所にでます。
ここから先が津波ひがいがあったのだ、とわかります。

海に面した豊間中学校にて下車。
津波被害の跡が残る学校の前で、津波の力の強さや
その後、この地区をベースに取り組んできたこと、
そしてこれからの予定などを話してくださいました。

本当に目の前が海なんです。
たくさんの家も土台を残すだけがほとんどで、
残っている家も全壊なのに、壊せないでいる。
この現実にみなさんからの質問がたくさんでました。
やはり、TVでみるのとは違う、他の県の状況とはちがう
という意見をたくさんいただきました。

豊間中学校を後にし、四倉のニイダヤ水産へ。

ニイダヤさんも津波被害で全壊しましたが、全国の方の支援をいただき
2012年9月1日に再オープンしました。
四倉で被害にあった加工所の中で再建できたのはニイダヤさんだけです。

もともと工場があったところなどをまわりながら
海と共に生きる決意をはなしてくださいました。

お昼はニイダヤ水産の魚を焼きたてで!
魚は全国からの魚を仕入れ、会津の三五八漬けにしたものなど
ニイダヤさんの加工技術を駆使した魚の干物を
素材広場スタッフとニイダヤさんスタッフで焼きました。

メニューは、会津の農家さんから仕入れた無農薬無化学のコシヒカリと
魚をダシにしたお味噌汁、ちょっとした煮物に漬けものを付けて
焼きたてのサバとサンマ、メヒカリの天ぷらの3種類の定食です。

強風のため、急きょ加工所のスペースを使って昼食場に。
お味噌汁やご飯をお代わりする人もいて好評でした^^V

ニイダヤさんで参加者の皆さんをお見送り~。
みなさん、本当にいいかたばかりでした。
漆器と食、たくさんの作り手にふれていただき、
福島で頑張っている人を理解していただけたと思います。

 
 
 

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