相馬の魚たち

 

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福島県の北部、太平洋に面した相馬市に漁港はあります。
ここがすごいのは、相馬漁港に水揚げされた魚しか扱っていないこと。
つまり、100%相馬漁港扱いの新鮮魚なのです。
大型船の動く時期と小型船だけの時期がありますが、
一年を通して漁獲されている福島の魚を扱うにははずせない漁港なのです。
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お伺いした日に水揚げされた魚です。
イシガレイ、メヒカリ、サル海老。
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イシガレイ 
一匹でちゃんとみるのははじめてかも・・
さわると魚のぬめりがあるんですね~
「新鮮だから刺身にしても美味しいよ。
もちろん煮付けにしてもね」と漁港の方から。
イシガレイは漢字で「石鰈」と漢字で書くとおり、目のある表側に石のような骨板が並んでいます。
これが名の由来にですね。
ちょっと調べたら石がある表の皮目に臭みがあるようです。
活け締めを買い求め、できれば「石」と皮をいち早く引きとるのがコツなようです。
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メヒカリも水揚げされます。
目が緑色に光るのが名前の由来ですね。
大きさは15cmほどになり、そのサイズで30gになります。
福島県沖のメヒカリはマルアオメエソで千葉県銚子沖から青森までの分布。
他の地区では高知県から宮崎県の相模湾からフィリピン沖にアオメエソとして分布しているようです。
小さいながらに白身の美味しいお魚で食べ方もいろいろ。
から揚げが一番食べられていますが、一夜干しにして焼いたり、天ぷらにしたり
新鮮なものは刺身にしても脂ののったうまさを感じられます。
相馬原釜漁港にはもっとたくさんの魚が水揚げされます。
今度は水揚げの様子を取材しなくては!

 
 
 

6月初旬のジュンサイ畑

 

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そろそろ、ジュンサイの話もでてきたので
佐藤さんのところに行ってみました。
「今年は遅れてるんだわ~」
と電話で言われていたとおり
いつもなら6月中旬に一回目を採り始められるのに
今年は20日ごろになりそうだとか。
ジュンサイ採りするのはおばあちゃんの仕事。
そのおばあちゃんが
「ジュンサイの葉っぱがもう少し大きくなって
水面いっぱいにならないとダメなんだよ。
今すこーしついてきたのもあるけど
採るほど量もない」
といいます。
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ジュンサイを見てみると、
確かについているのもあるんですけどね、ほんとに少し。
6月下旬までじっくり待ちましょう。

 
 
 

なんと「手作りこんにゃく」を見た

 

西会津の特産品でもある「車麩」。
今でもふくらし粉を使わず、3度焼きで自然に膨らませるという
技のお麩を作っているお店が丸十製麩本舗です。
体に優しい、というだけでなく、技術的にも職人技の必要な手作り焼き麩。
今、見直されている食材のひとつです。
今日は、そんな丸十さんにお伺いしたのですが、
ここではこんにゃくも作っているんです。
打ち合わせが終わって11時。
「そろそろこんにゃく作らなくちゃいけないから・・。
ちょっと見てみる?」
もちろんです!!^^
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こんにゃく作りって見たことあります?
私は初めて!
材料は「こんにゃく球」をすりおろして粉にしたもの。
簡単に説明すると、その粉をねって石灰水のお湯で茹でて、あく抜きしたもの。
そういえば、こんにゃく玉ってみたことないかも・・
「こんにゃく玉は収穫できるのに3年かかるんだよ。
球根くらいから植えて、冬は凍らないように土からあげて、春にまた埋める。
これを3年繰り返して、ちょうどいい大きさになるのが3年目。
畑を3年使わなくてはいけないし、手間もかかるから作る人が少ないんだよね。
このこんにゃく玉は群馬の。昔はここら辺でも作っていたけど、今はいないからね。」
やっぱり農家さんあってのこんにゃくなのですね~
薪で焚いた大きな釜にはお湯が沸いています。
ここに石灰水を混ぜて茹でるんですね。
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ねかしておいたこんにゃくの元を練り直し、器にうつし、お湯の上の道具に設置。
この釜も木の道具も年季物!
「今は工場で作っているから、こんな道具で作っているの、いまどきいないだろうね。笑」
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こんにゃくが入った器を上から押す仕組みになっていて、
お湯にどんどん糸状態のこんにゃくがでてきます。
まさに「糸コン」!
それを棒で「裏返しにする」作業をしながら茹でて、完成。
「茹で始めはすごく柔らかいから、切れやすいんだよ」
始めは柔らかかった糸コンが茹でている間にぷりっとした弾力を持つのです。
すごい、不思議ですよね。
あとは、水で一晩アク抜きして出来上がり。
なんともシンプルながら、職人の感がないとできない作業に感動しました。
帰りにこんにゃくをいただきました。
「さしみで食べてもいいけど、日持ちしないから少しおくなら茹でて冷蔵庫ね」
はい。
大事に食べさせていただきます。
市販品のつるっとした食感に慣れてしまった人にはゴワゴワ感があるこんにゃくかもしれません。
でも、その分、余計なものが入っていない。
昔ながらのこんにゃくですから。

 
 
 

会津木綿にふれる-ホテルグランデコ

 

冬からつめていた会津木綿の企画がひとつ形になったので、
会津木綿の山田織元へお伺いしてきました。
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グランデコの支配人と山田さんへお伺いしたのは冬。
いろいろなお話を聞けました。
会津木綿自体は400年の歴史があり、会津若松とその周辺の人たちの「普段着」であったこと。
今は、会津若松市内に2件の織元が残るだけになってしまいましたが、
昭和初期までは、猪苗代や喜多方などに十数件の織り元があり、もっと身近な存在であったこと。
会津木綿の特徴はなんといっても縦縞と丈夫さ。
縦縞は地区ごとに決まっていたようで、模様をみると住んでいるところがわかった、といいます。
今、山田織り元では機械織をしています。
その機械も、豊田自動車の前身「豊田織機」で、昭和初期の博覧会展示品。
動いていること自体が骨董価値であり、それで折っても一日2反がせいぜいとか。
「なにせ昔の機械なので、メンテナンスが大変です。でも、人が手間をかけながら織っているので
機械とはいえ、一本一本に愛着があります」と社長。
特徴である縦縞も
「今では、自分の地区の模様がどれか、なんてわかる人は少ないですね。
会津木綿を普段から着ている人はいなくなってしまったといっていいです。
代わりに小物雑貨や、洋服で仕立てる人が増えました。
柄も600種類近くありますから、選ぶのも楽しいでしょうね」という。
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今回はグランデコ和食処で朝食タイムで使うことになりました。
朝食を食べに行ったら、地元ならではの会津木綿を敷き
ゆったりと朝食をいただく。
なんて贅沢なんでしょう!!!
実際に使っているところを見てみたくなりました(笑)
続きの素材の旅はまたこんど

 
 
 

会津中央乳業 牛乳への思い

 

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本日は、TVの料理番組でも取り上げられた会津中央乳業にお伺いしました。
時間は9時頃。
ちょうど、瓶詰め作業中です。
徹底した衛生管理の下、会津の牛乳が詰められていきます。
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打ち合わせの時に出していただいた「もうひと絞り」。
この牛乳は、絞りたての味を知る酪農家の方が
「一番美味しいのは、絞ったあとの、最後のひとしぼりなんです。
牛ががんばって作ってくれた、一番最後の一絞り。一味違います。」
一口 くちに含むとふわっとした甘さを感じます。
ほんとに美味しい。
いつまでもふくよかな旨みが残る美味しさです。
「昔は坂下にも小さな酪農家さんがたくさんいて、その牛乳を売る牛乳やさんもたくさんいました。
うちもその一件だったの。
一番最初は、うちの母が西会津の実家から朝、晩の牛乳を運んでいたのよ。
坂下町から西会津の西方まで電車で、あとは徒歩。
イット缶2つに牛乳をいれて、手で持って運んでいたの。
絞りたては温かいから冷ますのに水をつかっていたくらい、なにもない時代だったんですよ。
それで、運んできた牛乳を殺菌して売っていたの。
毎日朝晩運んできては、殺菌して売る。この繰り返し。
牛も2,3頭飼っているくらいの農家さんが多かったから、
そのくらいの量でよかったのね。
今ではうち一軒になってしまったけど、その頃はたくさんの牛乳やさんがいて
みんな本気で酪農のこと、牛乳のことを語っていました。
その思いを全部背負っていると思っています。」
専務の牛乳の思い出も今の中央乳業の基盤になっているのですね。
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今回はヨーグルトの話でお伺いしたのですが、対応していただいた営業の二瓶さん。
まだお若いのに、考えがしっかりした方です。
「うちの牛乳はJA会津いいでの11の酪農さんを中心に、約20件ほどの方からいただいています。
100%会津の牛乳だけです。
実は、会津の環境は酪農に適しているんです。
牛は暑いのが苦手で、人間が寒いとかんじるくらいが適温なんです。
その寒い時期が長いこと。暑い時期でも朝晩の涼しさがあること。
人間にとって厳しい環境が牛にとっては最高なんですね。
だから、いい生乳ができるのです。
さらに、会津の酪農家さんは真面目な人が多い。
牛一頭一頭のことを考えて、育てています。
牛にも愛情が伝わるのでしょうね。
酪農業界では、会津の牛乳は北海道にも引けをとらない、といわれているそうです。」
そのいい生乳を、一番おいしい状態で飲んでいただきたい、と中央乳業さんは思っています。
だから、手間はかかっても低温殺菌。
雑菌数を極力いれない工夫など、小さな努力をたくさんしています。
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「会津の雪」というヨーグルトで有名になった会津中央乳業ですが
飲むヨーグルトもあります。
会津の雪はもうひとしぼりで作られているんですって。
なるほど、だから味が濃いんですね!納得。
以前に会津中央乳業さんとおつきあいしている酪農家さんにお伺いしたことがありましたので
その様子はまた今度。

 
 
 
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