【歴史・施設】

会津若松市の高久地区で専業農業を営む簗田(やなだ)さん。代々続く畑を守りながら、家族と一緒に野菜やお米、桃、梨などを生産している。高久地区は大川近くの砂地のため、昔から桃の他にも、スイカやメロン、りんごなどの栽培も盛んな地域である。

【生産者情報】



いつも明るく元気な簗田さん。野菜の配達や畑作業で毎日忙しく飛びまわる。

高久地区は会津の中でも桃の産地として有名だ。広がる桃畑からは磐梯山を望むこともできる。
虫予防のために、桃にはひとつひとつ丁寧に袋をかける。
手間ひまかけた果物の収穫は喜びもひとしおだ。
「知り合いの90歳のおばあちゃんが子供のころ『高久の桃』を箱で買ったことがあるって聞いたことがあるんだ。昔から桃畑があったんだね」と簗田さんもしみじみ。
今でも高久の桃の味は健在である。

農作業は天候に左右されやすい。
植えた苗が大雨で駄目になったりすることもあれば、暑い日差しの中での草むしりなどの辛い作業もある。
収穫が終わった後の畑の手入れも一苦労だ。
それでも農作業が好きだとう簗田さんは、農家にお嫁にくることにもまったく抵抗がなかったそうだ。

簗田さんの家では、ボカシ肥料などを使った有機栽培に取り組んでいる。
もちろん「もっと野菜の味を良くしたい」との思いから。
有機栽培は旦那さんのこだわりでもある。
使用したい肥料を制限されたくないため、あえて有機栽培の認定は受けていない。
自分達が食べて「おいしい!」と思えば、今まで育てていなかった品種の栽培にも挑戦する。
「土にこだわらないとね。この土地でずーっと作っていかんなんねから」と笑顔がこぼれた。

【東北大震災の影響】


昨年末の大雪により、ビニルハウスが3棟倒壊。出荷を控えた野菜がそのままハウス内で春を迎えた。3月になり「そろそろハウスの中を片付けよう」と思っていた矢先、大地震が発生。福島県内の野菜は、放射能問題で出荷停止となったため、春になっても無収入状態が続いた。「農家収入で食べてる人たちはみんな生活するために借金をしなくてはならなくなり、がんじがらめになってしまう。行政の指導で、作付けが2~3週間遅れたから収穫時期もずれ、秋に向けての準備も全てずれてしまった。時期がずれると苗がいじけるんだよね…」と肩を落とす簗田さん。

野菜の収穫時期を迎えても「本当の風評被害はこれからかもしれない」との思いは消えない。福島県産のお米だというだけで取引き中止になったという仲間の話も聞き、作っても売れないかもしれないという不安で眠れない日が続いた。
そんな中、「新しい販路開拓を」と若嫁会の仲間と共にスーパーの一角に専用のコーナーを設けて、販売を開始した。まずは行動しなくては。イベント会場にも軽トラックに野菜を積んで駆けつける。「お客様には価格だけでなく、新鮮さや美味しさで野菜を選んでほしい」。簗田さんの切実な願いだ。

【応援商品】

自分で食べておいしいと思ったものしか作らない簗田さん。
代々育ててきた畑で作られるお米やお野菜をご案内。

【MAP】

福島県会津若松市神指町高久字寺ノ下126