交流会のご報告 12月8日光雲閣にて 県内野菜と果物について

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2005年12月8日 木曜日
ホテル光雲閣(岳温泉)にて交流会を実施いたしました
今回は「冬の県内産素材」
特に野菜・果物が品薄になる季節ですので、その動向を把握するためと、実際にとれているエリアの特徴を知るための交流会でした。
はじめにあさかのフレッシュさんのご紹介で「郡山市総合地方卸売市場 株式会社郡山大新青果 蔬菜部兼企画開発部 原田部長」よりお話をいただきました。
「福島県は大変多くの種類の農産物が作られています。また、南の県と違って休耕時期があるので土が疲れていないのです。そのおかげで、通年採れる南の方の野菜と比べても福島の方が味がいいものが多いですね。福島の野菜は胸を張って自慢できるものばかりです。」というお話から始まりました。
原田さんは県の地産地消推進にも関わっておられますが、「郡山市場でも、なさけないことに県外産の取り扱いのほうが多い。」そうです。これは首都圏への流通経路に乗ってしまっていることと、県内での需要がまだ大きくならないことが理由だそうです。
「首都圏の方が高く買ってくれるから流れてしまうのでは?」という質問に「けっして首都圏が高いマーケットなわけではありません。市場には高値と安値が決まっていて、その中で値段が決まるわけですが、8割は真ん中の値段になります。高くしたくても高くできない市場の決まりもあります。首都圏に出して2日後に福島に戻った方が安い、ということも起きたり・・。その時の流通の動きによって左右されますね。」全国から集まる市場だけに、毎日毎日状況が違い、かなり複雑なよう。
「もちろん天候にも左右されます。台風が来たり、冷夏などの時に採れるべきエリアで採れないと、他の採れているエリアの野菜が高くなります。反対に、時期をずらして作ったつもりが一斉に収穫時期を向かえてしまう、という事態になれば、捨てたほうが高くつくくらいの安値になってしまいます。」
驚くことに一斉にほうれん草が採れてしまい、1束1円ということがあったそうです。
その時は持って帰らないほうれん草が市場に山積みになっていたとか・・。
「福島ではエリアが広い分、路地で作れる時期に作る人と、ハウスで冬でも作る人など一年間何かしらは作られ、採れています。ホテル・旅館さんでも欲しいものを作付けすることもできますし、変わった野菜を作っている人もいます。」
料理人なら喜びそうなちょっとめずらしい素材のリストもいただきました。
他にも郡山市場での取り扱いデータ、一年間の作付けデータなど、大変参考になる資料もいただいております。
青果主要19品目取扱高総括図 
平成15年度 入荷量 33,794t 郡山地産15% 郡山以外県内産15% 県外産70%
平成16年度 入荷量 36,021t 郡山地産19% 郡山以外県内産20% 県外産61%
(希望者には資料お届けいたします)
原田さんの貴重なお話は40分ほど続き、次に初参加の「大五工業」さんと、國分農場の俊江さんがお話されました。
大五工業さんはミネラル野菜の中島農法に取り組んでいる西会津町で1年前から「ダイゴ農園」を始めました。今回は大根・カブ・カリフラワー・春菊などを持参されての登場です。大根は水が滴るほどみずみずしく、歯ごたえがありました。
國分農場の俊江さんは今回肥料の話を中心にしていただき、土作りの中でも肥料の大切さを伝えられていました。
福島の美味しい野菜だけでなく、ミネラル野菜、國分農場の循環サイクルなど、福島県を代表する方々のお話を聞け、有意義な内容になりました。
今回の出席者
あさかのフレッシュ(舟橋さん) 光雲閣(佐藤料理長) 裏磐梯猫魔ホテル(小野寺総料理長) 松渓苑(ひよこ女将 祐子さん) 國分農場(俊江さん) 大五工業(五十嵐専務 長谷川さん)
お忙しいところありがとうございました。
また、多忙でご出席できなかった方々には参考資料をお届けいたしますのでご連絡ください。