交流会のご報告 11月9日 國分農場にて

11月9日 水曜日 
酵母牛の試食と、國分農場が取り組んでいる環境サイクルの視察をかねて交流会をいたしました。
11時に國分農場に集合。
まずは社長からなぜ、取り組みをはじめたかのお話をいただきました。
岳温泉のゴミの処分料が上がるのをきっかけに、ゴミを出さないシステム作りを考えたこと。牛のえさは人と同じ状態で食べさせるといい肉ができないので、廃棄処分のものを酵母菌で発酵させ、飼料に加工し食べさせていること。牛の糞は堆肥として生まれ変わり、土作りの役に立っていること。
なによりも農場主体のこのシステムは前例がないこと。などなど。
エサの中身までわかる環境に優しい酵母牛の誕生話を手短かにしていただきました。
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そのあと、俊江さんの案内で農場内の見学です。
國分農場の牛はとてもおとなしく、近寄ると興味シンシンによってきます。
「牛の気性はえさで決まるのです。農薬の多いえさを食べていると牛の気性も荒くなるのですが、うちの牛は私たちが食べても大丈夫なくらいのえさを食べて育っています。だから、穏やかな性格に育っているのです。穏やかな牛のほうが美味しいんですよ」
現在850頭のメス牛たちが育てられています。
愛情たっぷりに育てられた牛たちは800キロほどにもなり出荷されていきます。
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次に國分農場が中心に活動している循環サイクルのシステム見学をしました。
岳温泉からでた食べ残しや企業の規定外品を堆肥に変えていきます。
一日目はにおいもきつく、食べ物の姿も見えますが、微生物の力で発酵され日数が進むと土に近くなり、においもしません。25日目にはにおいもない土に近い状態になり、それから3ヶ月間熟成され、堆肥として完成します。
「岳温泉15軒からでる食べ残しや生ごみは一日平均500キロにもなります。
その中から分解できないビニールや紙・たばこが入っていないかを手作業で進められ、有機肥料のひとつとして農場に運ばれてきます。ここで牛糞と混ぜられ微生物の力を借りて25日間発酵します。その後、3ヶ月ほど熟成させて動植物に安全でにおいのない熟成有機肥料ができあがるのです。」
▼写真左「システム投入一日目」臭いもきつい ▼写真右「10日目」発酵熱で湯気が上がっている 
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▼写真左「25日目」すっかり土に近い状態。これから3ヶ月熟成させるそう。 ▼写真右「25日目の状態」さわってもにおいがなく、やわらかい。
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こうしてできた有機肥料は「きらきら有機リサイックル」としてJAみちのく安達二本松有機農業研究会のメンバーに提供されます。他にも岳温泉の旅館でも店頭販売されているので、一般の人がガーデニングに買っていったりしています。
有機野菜は岳温泉の旅館で積極的に使用されており、こうして循環されているのです。
一袋450円。
「この堆肥を畑に入れると土がびっくりして野菜が大きくなりますよ (笑)」
野菜つくりに興味のある人は試してみたい堆肥ですね。
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國分農場で1時間の視察を終えて、フォレストパークに移動し酵母牛の試食会です。
用意したお肉はロース・肩ロース・モモ肉。他にいただきものですが、採ったばかりの猪苗代の人参とピーマン。きのこ総合センターさんが持参された水煮のきのこ。
炭火でバーベキューの始まりです。
「酵母牛は臭みが少ないのが特徴です」との俊江さんの言葉を聞いて、モモ肉を生で食べる料理長が出没。「本当だ。肉があまい。活きがいいから生で食べたほうが肉質のよさがよくわかる」。この言葉でチャレンジ精神のある方々が生肉を食べ始めました(笑)。
でも、本当に生でも牛肉の臭みがないのです。
生肉を食べた人たちは「こっちの方が美味さがわかる」と納得でした。
水煮のきのこも鉄板で焼いてみました(笑)
なめこ・タモギなど5種類以上ものきのこを油でいためて塩コショウで味付けしただけですが、おいしかったですねー。
こんな食べ方をしたのはみんな始めてでしたが、シンプルな食べ方が新しい発見でした。
お肉と一緒に焼くつもりだった人参は、生で食べると昔の味がして「生の方が美味しい」ということで、箸休めのおつまみになっていました(笑)
食材にかかわっている方々ばかりなので、素材を前にすると皆さんプロ意識で食べ方の話で盛り上がってました。これがきっかけで新しいアイディアがうまれていくのでしょうね。
今回の参加者は
國分農場「國分俊江さん」  裏磐梯猫魔ホテル「小野寺総料理長」 プルミエール箕輪「森山総料理長」 熱塩温泉山形屋「田中さん」 松渓苑「佐藤社長」「ひよこ女将 佐藤祐子さん」 きのこ総合センター「橋本妙子さん」 にこにこバラ園「伊丹さん」  *芦名さんは急用により参加できませんでした
10名募集のところ、みなさまご参加いただきありがとうございました。
今回参加できなかった皆様も次回参加お待ちしております。

 
 
 
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