福島の魚なら相馬原釜!

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2時半に会津若松を出て、宮城県の県境に近い相馬原釜漁港に着いたのは5時半。
昼間なら4時間かかるところが、さすがに車も少なく、3時間で到着しました。
お伺いした日はあいにくの雨。
漁に出ているのかどうか心配しましたが、港には次々に船が戻ってきていました。
相馬原釜漁協の小型船は172艘、底引き船は31艘。
収穫量、船の数とも福島県の中では2番目の規模になります。
福島県沖は親潮と黒潮が交わる魚種が豊富な海域です。
一年間漁に出ており、相馬漁港にあがった魚だけを扱います。
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7月8月は底引き船は禁猟の月で、小型船だけが漁にでています。
人がいるのが見える小さな船から、5,6人が乗り込んでいる大きくみえる船まで
すべてが小型船なのです。
「今は1人で漁に出る人が減ったけど、少し前まで1人で漁をしている人も結構いたんです。
1人だとどうしても事故が多かったんですよ」
穏やかな日ばかりではない漁ですから、なにが起こるかわかりません。
小型船をまじかに見て、漁の危険さを感じました。
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船が着くと魚を受け取るのは奥さんの仕事。
堤防から船が入ってくると、自分のうちの船かどうかわかるそうです。
船が入ってくるとテキパキと魚を受け取る無駄のない作業が続きます。
カゴを受け取って、カートに乗せて、水槽と箱入れする魚に分けます。
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通年を通して水揚げされる魚種のひとつカレイです。
水揚げされたばかりで、元気一杯!
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カレイは酸素がはいった水槽に移します。
船から降ろした大きな桶からカゴにうつします。
これも奥さんの仕事。
みていても重そうな桶を手際よくザルにあけ、そのカゴごと水槽に入れます。
「あまり混んじゃダメなのよ」
と水槽にいくつも入っているカゴの中のカレイの数を調整します。
桶を持ってきてから水槽に移すまで、実に数分。
カレイ以外の魚もいるので手際の良さが重要なのです。
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素材広場担当の荒川さん。
いつも素材広場の会員宿の窓口をしてくれています。
携帯情報発信もコメントがおもしろくて、料理長も待っている人が多いほど。
漁港についた5時半には漁港の方で出社されていた人がいました。
漁師さんだけじゃなく、漁協の人も出社早いのですね。
荒川さんも7時過ぎには出社です。
大変なお仕事ですね。
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7時20分。
本日のセリがはじまりました。
一番最初はイワシです。
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仲買さんが競りたいイワシの上に希望額を書いて裏返しにしておいていきます。
緑の紙がその競り値の紙です。
漁協の人が確認して一番高い値段をつけた仲買さんが落とします。
実に数秒。
あっというまに魚が売れていくんです。
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取材同行の湯のやど楽山の支配人が、魚を物色中。
数量がすくない魚は、イワシの競りなどと違って、種類別にカゴにいれて
一列に並べるんですね。
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カスベ、イナダ、マツダイ、マトウダイ、、赤カニ、トビウオ、さば、ホウボウ、赤舌ヒラメ
サメにホッキ、ホヤ、アワビも!
他にもいろいろいましたが覚え切れませんでした^^;
名前は聞いたことがあるけど見たのは初めてな魚や、見たことも聞いたこともない魚など。
相馬漁港の魚種の豊富さには驚かされます。
「底引きが入っていないので、まだ少ないほうですけどね」
と漁協の方が教えてくれました。
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水タコの競りが始まりました。
仲買さんが集まってきます。
専用の競りが始まるときは場内放送がかかるので
その場所に集まるのですね。
みなさん、自分のが決まるか真剣。
タコのまわりに人だかりです。
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競り落とした魚は落とした人が計量の人のところに運んでいきます。
重さを計って料金を報告。
魚はキロでの競りなので、重さを計って値段が決まるのです。
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競りの様子をみていると
「船がはいってきたんだけど、小アジがありますよ。見ますか?」
もちろんです^^
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今までよりも大きな船に見えたのですが、こんなに大きくても小型船だそうです。
きれいな小アジがたくさん。
魚の身の張り方や、目のきれいさが違います。
ぴかぴか光っていて今にも飛び出しそう。
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大漁に見えたので、記念に一枚。
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8時
カレイの競りが始まりました。
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カレイはマコガレイやイシガレイなど種類があります。
写真は丸い斑点が特徴のイシガレイです。
ひっくり返っていたカレイのヒレが黒いのと黒くないのがいます。
「黒いのは養殖で放したカレイだよ。」
相馬漁港で見かけたカレイはほとんどがきれいな白でした。
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カレイの競りの時間に合わせて水槽からカゴに移します。
カレイは一匹ずつの競り。
カゴにいれたカレイがきれいにみえるように並べ、水をかけ、競りを待ちます。
カレイを並べている奥から仲買さんと漁協の人が競いながら一個一個決めてきます。
一匹に数秒。
流れるように進んでくる競りにあわせて、カレイを出し、かごに入れる。
無駄のない動きに感動です。
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「女の人の動きがすごいでしょう」
話しかけてくれた奥様。
漁に行くのは男の人の仕事で、港で売るのは奥様の仕事だそうです。
「嫁に来たときは魚の名前もわからなくて、大変だったのよ。
慣れるまでは何でも大変ね」
夜中に漁に出て朝方港に戻ってくる漁師の仕事だけでなく、
漁協で魚を売るまでの二人三脚の仕事なのですね。
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漁協の高橋さん。
荒川さんと一緒に受付担当になってくれています。
漁協では数少ない独身者(笑)
活きたカレイを持たせてもらいました!
少しぬめりがあるんですね~~
生きた魚を持つなんて滅多にありませんからすごい経験です。
次はズワイカニの時期に行ってきます!
相馬原釜漁港はここで水揚げされた魚しか扱いません。
つまりは100%相馬漁港のもの。
今は多くが首都圏や関西方面に買われていってしまいますが、
県内の需要も上がっているのでもっと身近な漁港になると思います。

 
 
 
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